無料で作った診断と、有料のプラグインで作った診断。設問を並べて答えてもらうところまでは、出来上がるものにほとんど差がありません。差がつくのは結果を返す段からで、しかもその差は機能表を見比べても見当がつきにくいところに出ます。
有料にするかどうかで迷っている段階なら、まず無料で1本組んでみるほうが判断は早い。この記事では無料で足りる範囲を先に引いて、そのあとで止まりやすい地点に降りていきます。診断シミュレーションProを作って売っている側が書くので、有料側で何にお金を払うことになるのかも隠さず出します。
結果を1つ返すところまでは、無料でだいたい足りる
無料でWordPressに診断を置く道は、4タイプに分かれます(それぞれの得意不得意は診断プラグインの選び方で整理しました)。どのタイプを選んでも、たいてい「3問答えたらタイプが1つ出る」ところまでは無料で届きます。
だから、次のような診断は無料のままで十分です。
- 単発の企画もの・ネタ診断で、結果が出て終わりでいい
- SNSでの拡散が目的で、自社サイトに置く必然性が薄い
- 社内やイベントで一度使うだけ
外部の無料サービスを使うときの向き不向きは診断メーカーからWordPressへ移す判断で細かく書きました。拡散が狙いなら、そのまま無料サービスに任せたほうが噛み合います。
順番としても、いきなり有料から入る必要はない。無料で1本作って公開すると、自分の診断に何が足りないかが具体的な形で見えてきます。
無料で手が止まるのは「結果」と「公開後」に寄る

設問を作って画面に出すところまでは、手段による差がつきにくいところです。差が出るのは、結果を返す段と、公開したあと。やりたいことを並べると境界が見えます。
| 診断に求めるもの | 無料の手段でどこまで届くか |
|---|---|
| 設問に答えてもらい、結果を1つ返す | ほぼ足りる。フォーム系の条件分岐でも形になる |
| 複数の設問の組み合わせで出し分ける | 手段によっては可能。ただし設問が増えるほど設定が入り組みやすい |
| 当てはまる結果を複数まとめて出す | 1回答につき1結果を前提にした作りが多く、ここで詰まりやすい |
| 結果に画像・ボタン・問い合わせフォームを置く | テキスト中心になりがちで、作り込みには向かないことが多い |
| 何問目で離脱したかを数字で見る | 本体に計測が無いことが多く、解析ツール側で自分で組むことになる |
上の2行までで足りるなら、費用の検討はまだ要りません。3行目から下が欲しくなった時点で、初めて有料の話になる。以下はその3つを順に見ていきます。
結果を2つ同時に出したくなると、分岐の作り方から変わる
「1回答につき結果は1つ」という前提で作ると、条件に当てはまるおすすめが2つあるとき、どちらかを捨てる設計になります。スクールのコース診断で2コースとも合っている、商品診断で候補が3つ残る——現場では普通に起きること。無理に1つへ寄せると、当たりきっていない結果を見せることになります。
無料の手段でここを通そうとすると、「AもBも当てはまる人」用の結果をもう1本作って、その組み合わせに線を引くことになります。2つなら足せる。ただ軸が3つ4つと増えると、組み合わせの数だけ結果を用意する羽目になって、そこで止まります。
診断シミュレーションProは逆向きに解いていて、選択肢から結果へ線を引くのではなく、結果コンテンツのほうが「自分を表示する条件」を持ちます(回答マトリクスと呼んでいます)。条件を満たした結果が複数あれば、そのまま並べて出ます。条件の組み方と、複数出たときの見せ方は複数の結果を同時に出す方法に分けて書きました。
費用の境界としては、ここが分かりやすい目印です。結果を1つに絞りきれるうちは無料で足りる。絞ると嘘になる、と感じた時点で仕組みのほうを変える話になります。
結果にフォームを置きたい、が次の壁
診断の値打ちは、結果を見た人が次に動くかどうかで決まります。ところが無料の手段では、返せるのがテキストや短いメッセージまで、という制約に当たりやすい。「あなたに合うのはBプランです」の下に、詳細ページへのボタンと申込フォームを並べたい。そこで手が止まる。
診断シミュレーションProの結果コンテンツは、通常のブロックエディタで作ります。普段の投稿と同じ感覚で見出し・画像・ボタンを組めますし、Contact Form 7のフォームも結果の中にそのまま置けます。連携設定を有効にしなくても、結果コンテンツ内の エラー: コンタクトフォームが見つかりません。 は表示・送信ができます(CF7 6.x がフロント全ページでJS/CSSを読み込むため)。フォームを使うならContact Form 7は6.0以上。CF7側が要求するWordPressのバージョンは版で変わり、6.0系はWordPress 6.6以上、6.1系は6.7以上です。
結果はページ遷移なし(AJAX)でその場に出るので、答えた勢いのまま問い合わせまで進んでもらえます。ここを作り込めるかどうかは、診断を集客に使うつもりがある人にとって費用を払う理由になりやすい部分です。結果の下に何を置くかで送信率は変わるので、その設計は診断結果から問い合わせにつなげる設計を見てください。
「何問目で抜けたか」を見たいなら、計測を持っているかで決まる

無料で作った診断でいちばん多いのは、公開したあと何も分からないまま置きっぱなしになることです。完了率も、どの設問で抜けられているかも見えない。直そうにも、手を入れる場所が当てずっぽうになります。
診断シミュレーションProは集計ダッシュボードを本体に内蔵しています。開始数・完了数・完了率・平均所要時間・設問別離脱率途中でやめて最後まで進まなかった人の割合。診断やフォームでは設問ごとに見ると、どこで止まっているかがわかる。詳しく見る・結果表示分布を、設置ページ別・前期間との比較つきで見られる。計測はセッション単位で個人情報を持たず、外部の解析サービスへも送りません。ログの保持は1〜365日(既定90日)で、超過分はcronで自動削除されます。
何が見えて何が見えないかは個人情報を保存しないまま診断の効果を測るに、数字を見たあと何を直すかは診断の離脱率の直し方にまとめました。
ここも要不要は診断の寿命で決まります。1回きりのキャンペーン診断に計測は要らない。半年後も同じ診断が動いている前提なら、数字が無いまま運用するほうが結局は高くつきます。
有料で買っているのは、機能そのものより「増えても壊れないこと」
ここまでの3つは、1本作って終わりなら無料の工夫でどうにかなる場面もあります。差が開くのは、公開したあとに設問を足したり並べ替えたりしたとき。線を引く方式だと引き直しが発生するところが、結果側が条件を持つ作りなら、増えた設問は不問のまま放っておけます。選択肢には保存のたびに choice_ で始まる安定IDが振られるので、順番を入れ替えても設定済みの条件は壊れません。
開発した側の内情を書くと、この安定IDは最初からあったものではありません。以前は選択肢を並び順の番号で保存していて、並べ替えると条件がずれた。あとからIDを振る形に変えたので、今も照合の処理には、番号で保存された古い条件をIDに読み替える分岐が残っています。無料か有料かという線とは別に、公開後も手を入れ続ける前提かどうかで、必要になる作りはこのくらい変わる。
診断シミュレーションProは有料のプラグインです。判断材料になるので、費用まわりの仕様も出しておきます。
ライセンスは1サイト単位でアクティベートし、解除すれば別のサイトへ移し替えられます。管理画面からの自動アップデートには有効なライセンスが必要。ライセンスを解除・無効化しても設問データは消えません。データが消えるのはアンインストールしたときだけで、その完全削除も管理画面でオン・オフを切り替えられます。作った設問セットはJSON設定やデータを受け渡すためのテキスト形式。メモ帳でも開けるが、Excelで表として開くものではなく、主にツール同士のやり取りやバックアップに使う。で書き出せるので、検証環境で組んでから本番へ移す運用もできる。動作環境はWordPress 6.0以上・PHP 7.4以上です。
無料で1本作ってみて、結果を複数出したい・結果を作り込みたい・公開後の数字を見たい、のどれかが出てきたら、そこが費用を検討する地点になります。逆に、そのどれも出てこない診断なら、無料のままで押し通すのが正解。手段のタイプから選び直すなら前掲の比較記事へ、仕様と動作環境は診断シミュレーションProで確認できます。
