地方単位でまとめた日本地図を作ろうとして、区分の選択肢に「東海」や「関西」が見当たらず手が止まる。ツールの機能不足ではなく、区分そのものの話です。広く標準として使われている8地方区分は、北海道/東北/関東/中部/近畿/中国/四国/九州の8つで、この並びに東海と関西は入っていません。 営業でも日常会話でも通じる呼び名なのに、地図の区分としては標準の外側にある。設定画面のどこかに隠れているはずだと探しても、出てきません。
答えを先に書くと、東海や関西でまとめたいなら、標準の区分から選ぶのをやめて自分でエリアを定義することになります。定義そのものは難しくない。ただ、決め方を整理せずに手を動かすと、色を塗り終わってから作り直す羽目になりやすいところです。
東海の3県は、標準区分では2つに割れている
なぜ8地方から東海を選べないのか。中部と近畿の中身を並べると、ずれている場所がはっきりします。
- 中部:新潟・富山・石川・福井・山梨・長野・岐阜・静岡・愛知
- 近畿:三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山
東海と呼ばれる愛知・岐阜・三重を当てはめてみると、愛知と岐阜は中部、三重だけが近畿。東海は、8地方のどれか1つを選び直しても再現できません。 静岡を加えて東海4県と数える流儀もありますが、静岡もやはり中部側です。つまり東海は、標準の枠を2つまたいだ位置にある呼び名。区分の一覧に無いのは、機能の抜けではなく必然でした。
天気予報では東海が独立した地域として出てくるのに、統計や資料の類いでは中部・近畿でまとまっている。あのずれを、地図を作る側で引き受けることになる、という話です。
関西と近畿は、重なってはいるが同じ言葉ではない
関西は近畿とほぼ同じ範囲を指しますが、イコールではありません。三重を含めるかどうかで揺れますし、福井の嶺南あたりを関西に含めて語られることもあります。近畿が区分表に載る言葉なのに対して、関西は生活や経済の場面で使われてきた呼び名、くらいの距離感で捉えるとちょうどいい。
サイトに出すときに効いてくるのは、範囲の違いより言葉の違いの方です。地図に「近畿」と出すか「関西」と出すかで、読者の受け取り方は変わります。地元の読者に向けた不動産や求人のページで「近畿」と出すと、書類のような硬さが先に立つ。全国どこからでも読まれる資料的なページなら、逆に近畿の方が範囲の説明が要らずに済みます。
呼び名を決めるのは地図ではなく、サイトの側

読者は、自分の県がどのくくりに入るのかを地図の上で探しています。料金表や営業案内で「東海3県は出張費無料」と書いているのに、地図の区分だけ「中部」になっていたら、三重の読者は自分が対象なのか判断できません。ここがずれた地図は、導線ではなく確認の問い合わせを生む装置になります。
だから決め方は単純で、サイトの他のページで使っている言葉に地図を合わせる。地図の都合で言葉を変えないことです。カテゴリー名、料金表の地域欄、問い合わせフォームの選択肢まで含めて地域の呼び方を1つに揃えてから作ると、公開後に直す場所が減ります。
逆に、県別ページへの回遊が目的で地域名そのものに意味が無いなら、標準の8地方のまま使う方が楽です。区分を自分で決めるほど、営業範囲が変わったときに直す場所は増えます。地図そのものの作り方はWordPressでクリックできる日本地図を作る方法にまとめてあるので、区分の話とは分けて読んでもらえればと思います。
独自エリアに切り替えると、リンクの主体は県からエリアへ移る


クリッカブル日本地図では、全国表示を地方別で区切るときに「標準8地方」か「独自エリア」かを選びます。標準8地方の名前は固定なので、地図の上に「関西」と出したい時点で独自エリア側に進むことになる。エリアは1行が1つのまとまりで、名前・色・リンク・含める県、それにポップアップの見出しと本文、リンク項目までが同じ行に収まっています。
ここで先に知っておきたいのが、独自エリアを使っている間、県単位で設定した上書きリンクは当たらないということ。押せる単位がエリアそのものになります。東海から愛知・岐阜・三重の各ページへ分岐させたいなら、エリアに1つリンクを置くか、ポップアップの中にリンク項目を並べる形になる。この小窓の作りは店舗一覧を地図から辿らせるで書いたものと同じで、項目の表示名は県名に縛られません。
もう1点、1つの県は1つのエリアにしか入れられません(重複させた場合は先に追加したエリアが勝ちます)。そして、どのエリアにも入れなかった県は規定色で塗られ、クリックできない状態になる。この未割当の県だけは、県ごとに色を上書きしていても規定色に戻ります。エリア外を静かに見せるための仕様です。逆にエリアへ入れた県なら個別の上書きが優先されるので、「エリアの色を敷いて、拠点のある県だけ濃くする」はそのまま通ります。この重ね順は日本地図を色分けする設計で書いた「規定色から上書きへ」と同じ並びで、エリアの色はその中間に入る形です。
含める県のチェックは、標準の8地方ごとにグループ分けして並べてあります。県を探しやすくするための並びなのですが、標準から外れたエリアを作るときだけ手数が増える並びでもある。作っている側も、東海を1つ作るのに中部の列と近畿の列を行き来しています。三重は近畿の列にいます。
エリアを作るときに一度だけ注意が要るのが沖縄です。県のチェックには九州のグループに沖縄も並んでいますが、全国表示のモードでは沖縄そのものを描きません。「九州・沖縄」という名前のエリアを作って沖縄を含めても、地図には出てこない。名前だけが実態と食い違うので、沖縄を見せたい地図は範囲を選ぶモードで別に作ることになります。この扱いは沖縄と離島の表示で整理しました。
地方名ラベルを表示している場合、エリア名は含めた県全体の中心に置かれます。離れた県どうしを1つにまとめると、名前が海の上に浮くことがある。まとめる範囲は地続きにしておくと収まりがいいです。名前を地図の上に置かずに済ませたいなら、地図の下に凡例を出す手もあります。「凡例を表示」をオンにすると、地方ごとの色や独自エリアの定義からエリア名と色の一覧が自動で作られ、地図に描かれているエリアだけが並びます。
営業で使っている呼び方のまま、1枚作ってみる
東海と関西が標準の区分に無いのは、地図側の欠落ではなく、呼び名が標準の外で育った結果です。サイトに置くときは標準に寄せるより、読者と自社が普段使っている言葉のまま作った方が伝わります。エリアの定義は地図1枚ごとに持つので、県別ページ用の地図は標準8地方、対応エリアを見せる地図は東海・関西、と使い分けても問題ありません。
管理画面だけで独自の地方区分の地図を作るときの設定は、クリッカブル日本地図の製品ページで確認できます。
