ホームページの情報が古いまま放置されるのは、担当者がいないからではない

会社のサイトに、いつ書いたか思い出せないページがあるはずです。料金のページ、FAQ、会社概要に載っている従業員数、去年のセミナーの案内。誰かがたまたま開いて「これ、まだ載ってるの」と気づき、その日のうちに直す。数か月は静かになる。そしてまた別のページで同じことが起きる。

怠けている人はいません。担当を決めていないわけでもない。それでも古くなる。この記事は、そうなる構造の話です。犯人探しではなく、何が抜けているかを言い直すために書きます。

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古くなるのは、いつも目の届かないページから

トップページや主力サービスの紹介が古いままになることは、あまりありません。毎日誰かが見ているし、営業が商談で開くし、広告のリンク先にもなっている。目に触れる回数が多いページは、目に触れる回数の分だけ直される。

古くなるのはその外側です。採用ページの「募集中」、サービスごとの注意書き、料金表の脚注、導入事例に書いた相手先の会社規模、代表あいさつの中の年数。公開した瞬間がいちばん注目されて、あとは検索から来た人だけが読む。社内で最後にそのページを開いた人が誰かを、誰も知らない状態。

気づく契機は、お客さんからの指摘か、採用面接で「サイトに書いてある条件と違う」と言われるか、更新のついでに隣のページを開いたときか。どれも偶然です。偶然に頼っているのだから、偶然が来ないページは古いままになる。

しかも古い情報の困り方は、ページによって深さが違います。コラムの中の年数が古いのは、読んだ人が気づかないか、気づいても笑って済む。料金や営業時間が古いと、問い合わせの段階で相手を一度がっかりさせる。法令に関わる注意書きが改正前のままだと、古いという以上の問題になりかねない。同じ「放置」でも、どこが放置されているかで話が変わるのに、放置されている側から見ればどれも等しく「誰も見ていないページ」です。

「担当者を決めれば直る」が効かない理由

こういう話になると、まず出るのが「サイトの担当者を決めよう」です。決めたところも多いと思います。総務の誰か、広報の誰か、あるいは制作会社。

でも担当者を決めても、あまり変わりません。担当者の仕事は「更新」であって「見直し」ではないからです。更新は、誰かから依頼が来たときに発生する仕事。新しい料金が決まった、拠点が増えた、キャンペーンが始まる——依頼があれば担当者は動くし、動いてきたはずです。一方で見直しは、誰からも依頼が来ません。「あのページ、まだ合っているか見ておいて」という依頼を出す人がいない。担当者は決まっていた。決まっていなかったのは、いつ見るかのほうです。

制作会社に任せている場合も構図は同じで、契約に入っているのは「依頼されたら直す」であって「頼まれなくても見に行く」ではない。誰かが最初の一言を発しない限り、どちら側も動かないようにできています。

もう一つ、担当者は異動します。頭の中に「あのページはそろそろ危ない」という感覚を持っていた人が抜けると、その感覚ごと消える。引き継ぎ書に「サイトの更新」と一行あっても、どのページをいつ見るかまでは書かれていない。書けるわけがない、というのが本当のところで、書いていないのは怠慢ではありません。書く場所が無かっただけです。

無いのは人ではなく、期限と記録

担当者を決めるだけの状態と、期限と記録を持たせた状態を比べた図

ここまでを言い直すと、抜けているのは二つです。

一つは期限。「そのうち見る」には日付が無く、日付の無い仕事は永遠に来ません。料金表は三か月ごと、会社概要は年に一度、法令に関わる注意書きは改正のたび——ページごとに「次にいつ見るか」を決めて、その日が近づいたら本人に知らせる、というところまで揃って初めて期限と呼べます。カレンダーに入れる人もいますが、カレンダーは投稿とつながっていないので、担当者が替わった時点でまた消える。

もう一つは記録。「見た」ということが、どこにも残っていない。WordPressには最終更新日がありますが、あれは中身を変えた記録であって、確認した記録ではありません。開いて読んで「変更なし」と判断した、という事実は、更新日を動かさない。すると、確認済みで内容が正しいページと、誰も見ていないページが、見た目の上で区別できなくなります。どちらも更新日は何年も前のまま。

記録が無いと、次に見る人は同じページをまた最初から読むか、見たつもりで飛ばすかのどちらかになります。「変更なし」も確認結果として残す。それができて初めて、放置と確認済みが分かれます。

仕組みとして必要なのは、この三つが投稿の中にあること

仕組みに必要な3つ(どこを見るか・誰がいつまでに・結果を残す)を投稿の中に持たせることを示した図

人を増やさずに直すなら、次の三つを揃えることになります。

  • どのページの、どの部分を見るのか。ページ全体を「見直す」は粗すぎて、料金表だけが変わるページのために毎回全文を読む羽目になる
  • 誰が、いつまでに見るのか。そして期限が近づいたら本人に届くこと
  • 見た結果が残ること。「直した」だけでなく「見たが変えていない」も

置き場所は、別に作った表でも社内Wikiでもなく、投稿そのものの中がよいと考えています。理由は単純で、更新するときに開くのが投稿だからです。表を開いてから投稿を開く運用は、忙しい月に表のほうが省かれる。投稿を開けば期限と前回の確認結果が見える、という形にしておけば、少なくとも「知らなかった」は無くなります。

期限を過ぎたページをどう扱うか、確認に誰かの合意を挟むか、そういう先の話はいくつもありますが、それは三つが揃ってからの話。まずは、担当者を責めるのをやめて、期限と記録の置き場所を作るところからです。WordPressの投稿の中にそれを持たせる具体的なやり方は、公開して終わりにしないための管理の全体像としてまとめてあります。

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