会社概要ページの更新タイミングは、1枚に1つでは合わない:資本金・役員・沿革は寿命が違う

会社概要のページは、たいていの会社のサイトに1枚あります。商号、所在地、設立、資本金、代表者、役員、従業員数、事業内容、沿革、許認可の番号。項目は10前後で、並び順も会社ごとにそう変わりません。

このページの更新タイミングを決めるとして、まず出てくるのは「年に一度」でしょう。決算のあとにまとめて見直す。周期としては妥当ですが、項目を1つずつ見ると、変わるきっかけが揃っていない。設立年月日はこの先も動かず、従業員数は毎月動き、役員は改選のあった日に変わる。同じ1枚に載っているというだけで、寿命はばらばらです。

以下は、会社概要という1枚を上から解剖して、どこに期限を持たせ、どこには持たせないかを決める話です。設定に落とすところはコンテンツ更新管理というプラグインを使います。

目次

上から順に、変わるきっかけを書き出してみる

会社概要の項目を、変わらないもの・数え直すもの・出来事の日に変わるものの3つの型に分けた図

まず1枚を分解します。項目と、その項目が変わるきっかけを並べるだけです。

項目変わるきっかけ
商号・所在地社名変更・移転。起きた日に確定する
設立年月日変わらない
資本金増資・減資
代表者・役員就任・退任・改選
従業員数常に動く。どこかの時点で数え直して書く
事業内容事業の追加・撤退
沿革出来事があったとき(多くは追記)
許認可の番号・有効期間更新のたび
取引銀行・主要取引先変わったとき

書き出すと3つの型に割れます。変わらないもの(設立年月日)。数え直すもの(従業員数)。出来事の日に変わるもの(役員、資本金、許認可、移転)。会社概要ページの更新タイミングを1つに決められないのは、性質の違うこの3つが同じページに並んでいるからです。

しかも後ろの2つは、「いつ変わったか」を社内の別の場所が先に知っています。登記や許認可の手続きをした部署はサイトを開く習慣が無く、ページを開く人のほうは変わったことを知らない。

「年に一度」を1枚に当てると、半分は空振りで、半分は間に合わない

年1回で回すと何が起きるか。設立年月日と沿革は毎年読み直されて毎年そのまま。従業員数は最大で1年古い数字が載り続ける。役員は、改選の翌日から次の確認日までずっと古い。1回の確認で空振りと手遅れが同時に出ます。

では3か月ごとにすればいいかというと、変わらない項目まで年4回読むことになる。読む量ばかり増えた確認は、そのうち画面を開いて閉じるだけの作業になります。

割り切りとして分かりやすいのは、周期を持たせるのは「数え直すもの」だけという決め方です。従業員数を半期で数え直す会社なら6か月、期末だけでよければ12か月。コンテンツ更新管理の更新頻度は1〜999と日・週・月・年の組み合わせなので、この手の周期はそのまま入ります。確認が終わるとその日を起点に次回確認日を計算し直すので、年1回の項目は「今年確認した日の1年後」に立つ。2月29日に確認した年単位の項目は、翌年の2月28日へ丸めます。

周期の長い項目には特有の摩擦もあります。一覧が「期限接近」に変わるのは既定で7日前、この日数は全体設定に1本しかありません。年1回の項目のために30日へ広げると、3か月ごとに回している別のページにも同じ物差しが当たる。早めの予告がほしいときは、管理対象ごとに指定できる期限前通知の日数(14日前・7日前・1日前のように複数持てます)で足すことになります。

周期で来ない項目は、日付だけ持たせておく

従業員数のように周期で回す項目と、役員や許認可のように日付だけ置く項目の扱いを比べた図

残りの「出来事の日に変わるもの」に周期は要りません。役員の改選が3年ごとと決まっているなら、次の改選の月を次回確認日に入れる。許認可の有効期間が切れる月が分かっているなら、その手前の月を入れる。更新頻度は「なし」にしておきます。

「なし」にすると日付は自動で進まないので、確認を終えた人が次の日付を自分で入れることになります。ひと手間ですが、次に何が起きるかを知っているのは、そのとき確認した人だけです。機械に決めさせようがない。

登記の内容がいつ変わるかは会社の側の事情ですし、表記が正しいかどうかをプラグインが判定することもありません。持てるのは「この日に人が見る」という約束だけです。

区切る場所は、本文の中か、値の側か

会社概要ページのブロックエディタ。役員欄を囲んだブロックの設定に担当者と次回確認日が並んでいる。

項目ごとに期限を分けると決めたら、次は分ける場所です。

会社概要が本文にべた書きされているなら、区切りたい範囲を専用のブロックで囲みます。囲んだ範囲が独立した管理対象になり、担当者と次回確認日を別に持つ。1つの固定ページに何個でも置けます。ブロックの置き方と保存のクセは本文の一部分だけを別扱いにする記事に書いたので繰り返しませんが、区切りの入れ子だけは組めません。「役員一覧は年1回、そのうち代表者の欄だけ別」という二重の区切りは作れない、ということです。

ここを許さなかったのは、期限を過ぎた範囲をフロントで隠す設定を選んだときに、外側と内側のどちらの期限で隠すのかが決まらないからです。編集画面のインサーターからは自分自身を外してあるのですが、貼り付けとパターン挿入を試してみると、そこから入れ子が持ち込まれる経路が残っていました。いまは保存のたびにブロックの木をたどって、内側に入った分は管理対象にしません。

従業員数や資本金がテンプレートから出力される値、つまりACFAdvanced Custom Fields。投稿に独自の入力欄(カスタムフィールド)を追加するプラグインの定番。無料版と有料のPro版がある。カスタムフィールド投稿に本文とは別の「項目名と値」を持たせる入力欄。資本金や営業時間のような値を本文の外で管理でき、ACFなどのプラグインで追加するのが一般的。に入っているなら、値の側を管理対象にできます。こちらは値そのものに担当者と期限を持たせる記事のほうに詳しく書きました。

固定ページ1枚そのものにも、管理対象を1つ持てます。よく動く部分を切り出したうえで、ページ全体には長めの周期を通しで当てておく形です。

ただし表の全項目を切り出す必要はありません。よく動く2つ——たいていは従業員数と役員——だけを切り出し、残りはページ全体の年1回に含めてしまう。区切りが増えれば確認の件数も増えるので、1枚から5つも6つも管理対象を作ると、今度は通知の数で音を上げます。

名前を入れる段になると、1枚が部署をまたぐ

項目を分けると、担当者の欄で会社概要ページの本性が出ます。資本金と従業員数は経理か総務、役員は総務、許認可は所管の部署、沿革は広報。1枚に並んでいるのに、答えを持っている人が分かれている。

ところが担当者の欄に入るのは、WordPressのユーザーが1人だけです。「総務」も「経理」も登録できず、必ず誰か1人の名前になる。部署で回している仕事を、名前に割り直す作業がここで発生します。

会社概要ならではの詰まりどころもあります。担当者に指名できるのは、確認を実行する権限を持ち、かつその投稿を編集できるユーザーだけ。会社概要は固定ページなので、記事を書けるだけのロール(既定では投稿者)の人は、この1枚の担当にできません。経理の人に従業員数を持たせるつもりなら、ロールを先に整えておくことになります。

確認に承認を挟むかは項目次第で、許認可の表記のように間違うと重いものだけ承認者を置き、沿革は担当者だけで完結させる形にできます。期限を過ぎた状態が続いたときの連絡先として置くエスカレーション先のほうは権限を問わないので、部署の責任者の名前を入れておけます。

隠せないページだから、変わるのは記録のほうだけ

期限切れ処理は「何もしない」が既定で、登録した日に公開中のページが動くことはありません。投稿単位で選べる先は、管理画面で警告のみ/下書きへ戻す/非公開にする/指定URLへリダイレクトあるURLを開いたとき、別のURLへ自動で転送すること。ページを消す代わりに関連ページへ送ると、検索エンジンからの流入やブックマークを失いにくい。。会社概要で使えるのは、事実上いちばん上だけです。

会社概要は、取引の前に相手が実在を確かめに来るページでもあります。所在地を見に来た人の前でページが消えているのは、従業員数が1年古いことよりたぶん重い。ブロック単位なら非表示や代替メッセージも選べますが、「現在、この情報は確認中です。」を会社概要の途中に出すと、隠したこと自体が目立ちます。ここは料金表やキャンペーンページとは事情が違う。見せ方は変えず、管理画面の側にだけ警告を出しておくのが素直です。

では見せ方を変えないなら、期限は何を動かすのか。記録のほうです。前回の確認以降に本文が変わったかどうかは一覧に出るので、総務の誰かが役員の欄を直せば、期限が来る前に「変更あり」として見えます。直した人と確認する人が別でも噛み合う。確認を完了すれば、更新した/変更不要/対象外のどれかが履歴に残ります。会社概要は「変更不要」が何年も続くページなので、最終更新日を見ても、確認済みなのか誰も開いていないのかは区別がつきません。分けられるのは確認の記録だけです。

ここまでの当て方は、どこかの会社で回った実例ではなく、設定として何が組めるかの想定です。そのうえで言うと、会社概要は更新の管理を始める1枚目に向いています。どの会社にも必ずあり、項目は数えられる数しかなく、間違っていると気づかれやすい。ここで「どの項目に期限を持たせ、どの項目には持たせないか」を決めておけば、同じ決め方をサービスページにも採用ページにも使い回せます。期限と担当者を投稿の中に持たせる枠組みそのものは全体像をまとめた記事に書きました。

製品ページは コンテンツ更新管理 にあります。

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