公開して3日後に、検索結果に出ている自社の記事を見て気づく。メタディスクリプションの「お問い合わせ」が「お問合せ」になっている。本文は何度も読み返したのに、その120文字だけ誰も見ていなかった。
このパターン、けっこう起きます。しかも一番人目に触れる場所で起きる。
見落とされる理由は、レビューの動線にある

本文はレビューされます。編集者が開いて上から下まで読むので、目に入る。
一方、メタディスクリプションは編集画面の下のほう、SEOプラグインのパネルの中にあります。開かないと見えない。しかも書くタイミングが本文と違う。本文を書き終えて、公開直前に急いで埋めることが多い。急いで書いたものを、誰もレビューしない。
タイトルも似た事情があります。タイトルはさすがに見られますが、スラッグはどうでしょうか。自動生成された日本語スラッグをそのままにしていないか、手で書いたスラッグにタイプミスがないか。抜粋(excerpt)に至っては、テーマによっては表示されるのに、埋めた記憶すらないことがある。
つまりこれは、注意力の問題ではなくレビュー動線に乗っていないフィールドがあるという構造の問題です。
校正の対象を本文の外に広げる
日本語校正マネージャーには、本文以外のフィールドを校正する種別があります。対象はこうなっています。
WordPress標準
- 投稿タイトル
- スラッグ
- 抜粋
SEOプラグインの欄
- Yoast SEO のSEOタイトル・メタディスクリプション
- Rank Math のSEOタイトル・メタディスクリプション
- All in One SEO のSEOタイトル・メタディスクリプション
3つのうち有効になっているものを自動で判定して、そのプラグインの保存済みデータから値を取ります。どれを使っているかを設定画面で選ぶ必要はありません。複数を同時に有効にしているサイトはまずないので、判定は自動で足りると判断しました。
これらのフィールドに、本文と同じルールが適用されます。表記ゆれ、冗長表現、全角半角、句読点。「お問合せ」を本文で直しているなら、メタディスクリプションの「お問合せ」も同じルールで指摘されます。
指摘には場所が付く

サイドバーに出る指摘には、どのフィールドで見つかったかのタグが付きます。本文なのか、タイトルなのか、メタディスクリプションなのか。
これがないと、指摘を見ても探せません。「お問合せ」という指摘が3件出ていて、本文を全部検索しても2件しか見つからない、という状態になる。残り1件がSEO欄にあると分かって初めて、開いて直せます。
修正ボタンは出ない
ここは正直に書いておきます。本文以外への指摘に、ワンクリック修正のボタンは出ません。
理由は実装の都合です。ワンクリック修正は、ブロックエディタのリッチテキスト(本文のテキストノード)を直接書き換える方式で作ってあります。ブロックの構造を壊さないために、置換の対象をそこに限定した。
タイトルやSEOプラグインの入力欄は、その仕組みの外にあります。SEOプラグインごとにフィールドの持ち方も保存の仕方も違うので、同じ方式では触れません。作っている側としても、他社プラグインの入力欄を外から書き換えるのは、動かせたとしてもやるべきではないと考えました。
なので、SEO欄の指摘は場所と内容を示すところまでです。直すのは手で。ただ、そもそも気づけないことが問題だったので、気づけるようになるだけで実務は変わります。
評価のタイミングも違う

本文は編集中に自動でチェックされます。入力が止まってから1.5〜3秒ほど待って、変更された箇所を見に行く。
SEO欄はこの対象外です。評価するのは保存したときと、手動でチェックを実行したとき。
理由は、SEOプラグインの値が保存済みのデータから読まれるためです。入力欄に打っている最中の値は、まだ保存されていない。リアルタイムに追いかけようとすると、プラグインごとに違う実装を追いかけることになります。
運用としては、公開前に一度「校正を実行」を押す習慣がつけば足ります。公開前チェックのタイミングでも走るので、Errorに設定していれば公開が止まります。
同梱ルールに1本だけ入れてある
本文以外のフィールドは、SEO項目チェックのルールが1本も有効になっていないと一度も校正されません。本文のルールをいくら設定しても、そちらには波及しない仕組みだからです。
これは設計上の穴になりかけたところで、あとから同梱ルールに「タイトル・抜粋・スラッグ」を1本追加しました。既定値のままで有効になっているので、インストールした時点で本文以外も見られる状態になります。
このルールもワンクリック修正の対象外です。既定の重要度はWarningなので、有効化しただけで公開が止まることはありません。
対応していないフィールド
- ACFなどの任意カスタムフィールドは現行バージョンの対象外です。記事本文とは別に大量のカスタムフィールドを持つサイト(求人・不動産・商品情報など)では、そちらは校正されません
- OGP専用の入力欄も、SEOプラグインのSEOタイトル・メタディスクリプション以外は見ていません
- SEOプラグインの3種類以外(SEO SIMPLE PACK など)にも対応していません
このあたりは、対応するとしても各プラグインのデータの持ち方を個別に読む実装になるので、需要が見えてからの判断になります。
本文と本文以外を、同じルールで見る意味
メタディスクリプションのためだけに校正ルールを別途作る必要はありません。同じ辞書、同じルールが本文以外にも効く、というのがこの機能の要点です。
「お問い合わせ」に統一すると決めたなら、それは本文でもタイトルでもメタディスクリプションでも同じはずです。ルールを一箇所で持って、適用範囲だけ広げる。二重管理が発生しないことのほうが、機能そのものより効いてきます。
本文を含む8種類のチェックをWordPressの編集フローに組み込む全体像はこちらの記事に、対応SEOプラグインや動作環境は日本語校正マネージャーの製品ページにまとめてあります。
