診断やヒアリングの入口を作るとき、最初に思いつくのはGoogleフォームです。無料で、数分で立ち上がり、回答も自動で集まる。仮説検証やアンケートなら、これで十分なことが多いです。
ただ、それを商用サイトの導線として育てようとすると、途中で物足りなくなりやすい。結果画面の作り込み、サイト体験の連続性、公開後の改善計測——このあたりはGoogleフォームが得意な領域ではないからです。
ざっくり言うと、Googleフォームは「速く集める」のが得意で、WordPress側の診断は「結果を見せて次の行動につなげる」のが得意です。どちらが上という話ではなく、目的が違う。この記事では、どこで差が出るのか、どう選び分けると失敗しにくいかを整理します。
Googleフォームの強みは速さと手軽さ
Googleフォームのいいところは、思い立ってから公開までが早いことです。アカウントさえあれば無料で使えて、設問を並べればすぐ回収が始まる。
集計もスプレッドシートに流れていくので、社内アンケートや、需要があるか試したいだけの段階なら、わざわざWordPressに作り込む理由はありません。デザインよりとにかく早く数字が欲しい、という場面ではむしろこちらが合理的です。
引っかかりやすいのは、回答した人に「その場で結果を返して次へ案内する」のが苦手な点です。Googleフォームは集めることに寄った道具で、回答内容に応じて出し分けた結果コンテンツを見せたり、そこから問い合わせや申込みへ自然につなげたりするのは、別の仕掛けを足さないと難しい。商用導線として使い始めた途端に物足りなくなるのは、たいていこの部分です。
商用導線で効いてくる三つの差

サイト内に置く診断、ここでは診断シミュレーションProを例にしますが、Googleフォームと比べて差が出やすいのは次のあたりです。
ひとつは結果画面の作り込みです。診断シミュレーションProの結果は通常のブロックエディタで作るので、見出し・説明・画像・ボタン、さらにContact Form 7のフォームまで結果ごとに組み立てられます。
回答の組み合わせで出し分けるのも得意で、結果コンテンツ側に「この設問でこの選択肢が選ばれたら表示する」という条件を持たせ、設定した条件をすべて満たしたとき(AND判定)に表示します。条件に入れなかった設問は不問になり、一致する結果が複数あればまとめて出せます。Googleフォームだと、回答後にどう案内するかは別ページや別ツールで設計することになりがちで、ここが切れやすい。
もうひとつはサイト体験の連続性です。外部フォームへ飛ばすと、見た目もURLも自社サイトから離れてしまい、せっかく高まった温度感が途切れやすい。サイト内に置く診断は、回答するとページ遷移なし(AJAX)でその場に結果が出るので、流れが切れにくいです。デザインも自社サイトに寄せられるので、診断だけ浮いて見えることが少ないのも特徴です。
三つめが改善のための計測です。診断は公開してからが本番になりやすく、どの設問で抜けられているか、どの結果に偏っているかを見ながら直していくことになります。診断シミュレーションProは開始数・完了数・完了率・平均所要時間・設問別の離脱率・結果の表示分布を、外部の解析ツールを足さずに自社のデータベースに集計します。
計測はセッション単位で個人情報を保存せず、ログの保持期間も設定でき(既定は90日)、超過分は自動で消えます。Googleフォームは回答を集めること自体は得意でも、「どこで止まったか」を診断導線の視点で見るのには向きません。
| Googleフォーム | 診断シミュレーションPro | |
|---|---|---|
| 立ち上げ | 速い・無料 | 管理画面で設計が必要 |
| デザイン | テンプレート中心で限定的 | サイトに合わせて作れる |
| 結果の出し分け | 別途設計が必要 | 回答マトリクスで出し分け |
| 結果から問い合わせ | 別導線になりやすい | 結果コンテンツ内に置ける |
| 計測 | 回答回収が中心 | 完了率・離脱率・結果分布を自社DBで集計 |
| 別サイトへの移行 | 使い方次第 | JSONでエクスポート/インポート |
どちらを選ぶか
まず数字が欲しい、ニーズがあるか試したい、という段階ならGoogleフォームで十分です。速さと無料という強みは、検証フェーズでは何より効きます。一方で、商品レコメンドやタイプ診断、料金シミュレーション風の絞り込み、LPのCV導線のように、結果を見せて問い合わせや申込みまでつなげたいなら、サイト内の診断として作るほうが後から伸ばしやすい。設置は設問セットを作るとIDが振られるので、固定ページに次の1行を貼るだけです。
[mqs_simulator id="設問セットID"]
id には自分の設問セットのIDを入れます。ブロックエディタなら「診断シミュレーション」ブロックでも置けます。なお動作環境はWordPress 6.0以上・PHP 7.4以上で、結果コンテンツ内でContact Form 7を使う場合はCF7 6.0以上(CF7 6.x はWordPress 6.7以上が必要)が前提です。
どちらに作っても、設問を増やしすぎると完了率は落ちます。スマホ流入が多いと途中離脱しやすいので、最初は3〜5問くらいに絞るのが現実的です。「まず試すならGoogleフォーム、商用導線として育てるならサイト内の診断」という分け方で考えると、選びやすくなるはずです。
