エステや美容サロンのサイトに、来店前のかんたんな肌診断(カウンセリング診断)を置きたい——という相談は意外と多いです。 「あなたの肌タイプは?」「気になる悩みは?」と数問答えてもらって、その人に合いそうなコース・施術・スキンケアを提案する、あの形ですね。
結論から言うと、WordPressだけでこの肌診断は作れます。外部の診断サービスに頼らなくても、設問と提案内容を自分のサイト内に持てます。 ただし、ここで言う肌診断は医療的な診断ではなく、来店前カウンセリングの補助・おすすめ提案です。Webでできるのは「あなたにはこのケアが合いそうですよ」と入口を作るところまで、と最初に線を引いておくと、表現でも運用でもブレません。
この記事は、サロンの集客サイト担当者向けに、肌診断をどう設計して、どうWordPressに設置するかをまとめます。
なぜ「肌診断」をサイトに置くと効くのか
サロンのサイトでよくあるのは、コース一覧やメニュー表をきれいに並べているのに、問い合わせ・予約まで進んでくれない状態です。 来店を迷っている人にとっては、メニューが並んでいても「で、自分はどれを受ければいいの?」が分からないまま離脱しやすいんですね。
肌診断は、その手前の迷いを減らす役割で使うと強いです。 数問答えるだけで「あなたにはこの方向のケアが合いそう」と提案できれば、いきなりメニュー表を読ませるより心理的なハードルが下がります。来店前のカウンセリングの一部を、Web側に少し前倒しするイメージです。
実際、メニューを眺めるだけの人より、診断に答えてくれた人のほうが「自分ごと」になっているので、その後の予約・問い合わせにつながりやすくなります。

先に決めるのは設問より「提案の出し分け方」
作り始めるとき、つい「どんな質問を並べるか」から考えがちですが、実際に詰まるのはそこではありません。 回答に応じて、どの提案を出すかを先に決めておくほうが、後で崩れにくいです。
肌診断でありがちなのが、最初の勢いで設問をどんどん増やしてしまい、後から「この回答のときって何を出すんだっけ」が自分でも追えなくなるパターンです。 最初は3問くらいから始めて、提案も代表的なものを数パターン用意するところから始めるのが現実的です。
ここで例として、LPでも紹介しているスキンケア3問診断を使って説明します。
- Q1: 肌の悩みは?(乾燥 / 敏感・ゆらぎ / 毛穴・テカリ など)
- Q2: ケアにかけられる時間は?(しっかり / 短時間)
- Q3: 月にかけられる予算は?(しっかりめ / おさえめ)
この3問に対して、たとえば次のような提案を用意します。
- 「敏感肌向けのやさしいケア提案」
- 「時短でも続けられるケア提案」
- 「集中ケアコースの提案」
設問を作ること自体より、この提案同士の違いをどう説明するかのほうが手間がかかります。先に提案の役割を決めておくと、後から設問を足しても崩れにくくなります。
仕組みの核心は「提案ごとに表示条件を持たせる」こと
ここがふつうの診断ツールと一番違うところなので、先に整理します。 診断シミュレーションProは、「この選択肢を選んだらこの提案へ飛ばす」という線を引くタイプではありません。 代わりに、それぞれの結果コンテンツ(提案内容)が「どの設問でどの選択肢が選ばれていたら自分を表示するか」という条件を持ちます。 この仕組みを回答マトリクスと呼びます。
判定はシンプルです。
- 設定した条件をすべて満たしたとき(AND判定)にその提案が表示される
- 条件に入れていない設問は「不問」=判定に影響しない
- 条件を満たす提案が複数あれば、そのまま全部表示される
この「不問」があるおかげで、提案ごとに見る設問を変えられます。 たとえば「敏感肌向け」の提案は、Q1で「敏感・ゆらぎ」が選ばれていれば出したい。Q2のケア時間やQ3の予算は関係ありません。 なので、この提案の条件は Q1だけにして、Q2・Q3は不問にします。
一方で「時短でも続けられるケア提案」は、Q2が「短時間」かつQ3が「おさえめ」のときに出したい。こちらは Q2とQ3を条件にして、Q1は不問にします。
すると、肌悩み=敏感/時間=短い/予算=おさえめ と答えた人には、「敏感肌向け」と「時短ケア」が両方表示されることになります。 1つに絞り込まず、その人に当てはまる提案を素直に複数出せるのが、この作り方の利点です。来店前のカウンセリングでも、複数の選択肢を示してあげるほうが自然ですよね。
スマホで答えてもらう前提で考える
サロンの集客サイトは、スマホ流入がかなり多いです。インスタや広告から来た人がそのままスマホで見るケースが大半なので、診断もスマホで答えてもらう前提で考えたほうがいいです。
診断シミュレーションProは回答してもその場で結果が出ます。ページ遷移なし(AJAX)で、答えた瞬間に同じページ内に提案が表示されるので、スマホでも待たされる感じが出にくいです。
設問数が多いと、途中で「まだ続くの?」と離脱されやすいのも、スマホでは特に起きます。 進捗バーで「あと何問」を見せられるので、残りが分かるだけでも最後まで答えてもらいやすくなります。とはいえ機能でカバーする前に、設問そのものを欲張らないのが先です。最初は3問程度で十分です。
提案の中身はブロックエディタで作り込める
回答条件で出し分ける中身、つまり結果コンテンツは、通常のブロックエディタで作れます。 ここがサロンサイトでは地味に効きます。提案の中に、施術写真・おすすめメニューの説明・料金の目安・予約ボタン・問い合わせフォームまで、ふだん固定ページを作る感覚でそのまま入れられるからです。
たとえば「敏感肌向けのケア提案」なら、こんな構成にできます。
- 肌悩みへのやさしい一言(共感のメッセージ)
- おすすめのコース・メニュー名と、向いている理由
- 施術イメージの写真
- 料金の目安
- そのまま予約に進めるボタン、または問い合わせフォーム
問い合わせフォームは、Contact Form 7を使っているサロンが多いと思います。結果コンテンツの中にCF7のフォームを置いておけば、診断の流れのまま問い合わせまで完結できます。連携設定を有効化していなくても、結果コンテンツ内の エラー: コンタクトフォームが見つかりません。 は表示・送信できます。
ひとつ気をつけたいのは、提案を複数同時に出す前提だと、1件あたりが長すぎると読みづらくなることです。最初は1提案あたりの情報量を絞っておくほうが、スマホでも見やすくなります。
設問を増やしても条件が壊れにくい
肌診断は、公開してから「もう1問足したい」「選択肢の順番を入れ替えたい」が必ず出てきます。季節で肌悩みが変わったり、新しいコースを足したくなったりするからです。
普通なら、設問や選択肢を並べ替えた瞬間に条件がズレて、提案がおかしくなる事故が起きやすいところです。 診断シミュレーションProでは、選択肢に安定したIDが自動で振られているので、設問や選択肢を後から並べ替えても、設定済みの条件はそのまま生きます。「順番を直したら別の提案が出るようになってしまった」が起きにくいのは、長く運用するうえで地味に助かります。
表現は「提案・おすすめ」にとどめる
美容・健康まわりの診断で一番気をつけたいのが、表現です。 「シミが治る」「肌トラブルが治る」「医療レベルの効果」のような断定は、誇大表現や医療的な主張になりかねません。
この肌診断はあくまで来店前カウンセリングの補助・おすすめ提案です。 「あなたの肌悩みにはこのケアが合いそうです」「こんなコースがおすすめです」という提案にとどめて、効果を断定しないことが大事です。設問の文言も「診断します」より「あなたに合うケアを提案します」のほうが、実態にも合っていて安全です。
医療的な診断と誤解させないために、診断の冒頭か結果の末尾に「これは来店前のおすすめ提案で、医療的な診断ではありません」と一言添えておくと、書き手としても気が楽になります。
どこに置いて、どう設置するか
設計が決まれば、設置自体はかんたんです。 診断シミュレーションProでは、設問セット(診断1つの単位)を作るとIDが振られるので、固定ページや投稿に次の1行を貼るだけで設置できます。
[mqs_simulator id="設問セットID"]
id には自分で作った設問セットのIDを入れます。ブロックエディタなら「診断シミュレーション」ブロックから対象の診断を選んでも設置できます。
サロンサイトなら、トップページの目立つ位置、コース紹介ページの冒頭、あるいは予約ページの手前に置くのが効きやすいです。LPの構成によっては、テンプレートやテーマ側から呼び出すこともありますが、その場合は設定の「アセット強制読み込み」をオンにしておくと確実に表示されます。
公開後は完了率と離脱を見て直す
肌診断は公開して終わりではなく、むしろ公開後に数字を見ながら直していくものです。 診断シミュレーションProには集計ダッシュボードがあり、開始数・完了数・完了率・設問別の離脱率・どの提案が表示されたかの分布を確認できます。計測はセッション単位で個人情報を保存せず自社のDBに溜まる形なので、外部の解析ツールを別途用意しなくても見られます。
ここで分かりやすいのは、どの設問で離脱が多いかです。 たとえばQ3の予算を聞いたところで離脱が増えているなら、聞き方を変えるか、いっそ予算は外す判断もできます。完了率が低いまま放置するより、設問を1つ減らすだけで最後まで答えてもらえることもあります。
提案の表示分布も見ておくと、特定の提案ばかり出ていたり、逆にまったく表示されない提案があったりが分かります。誰の回答にも当てはまらない提案は、条件が厳しすぎるサインです。
ひとつ忘れがちなのが、どの条件にも当てはまらない人への提案を用意しておくことです。条件を細かくしすぎると、最後まで答えたのに何も提案されない空振りが起きます。これは一番もったいない離脱なので、最低でも「どれにも当てはまらない場合の共通提案」を1つ置いておくと安心です。
同じ作り方は他の業種でも使える
ここまでエステ・美容サロンの肌診断を例にしてきましたが、この「設問を作って、提案ごとに表示条件を持たせる」やり方は、業種を変えてもそのまま使えます。
たとえばクリニックの症状チェック(受診の目安を提案する形)、サロンや教室の体験コース診断、さらに採用サイトの適性診断など、来店・来院・応募の前に「あなたに合いそうなのはこれ」と示したい場面はどこでも同じ作り方が通用します。 肌診断がうまく回り始めたら、同じ感覚で別の診断も増やしていけます。設問セットは複製できるので、ひとつ作れば横展開もしやすいです。
まとめ
エステ・美容サロンの肌診断は、WordPressだけで作れます。 鍵になるのは、設問を増やすことより、提案ごとに「どの回答のときに表示するか」という条件(回答マトリクス)を先に決めることです。AND判定と「不問」を組み合わせれば、提案ごとに見る設問を変えられ、当てはまる提案を複数まとめて出せます。
提案の中身はブロックエディタでコースや予約ボタン、CF7の問い合わせフォームまで作り込めて、スマホでもページ遷移なしで表示されます。選択肢に安定IDが振られているので、後から設問を並べ替えても条件は壊れません。 表現は「治る」ではなく「おすすめ提案・カウンセリング補助」にとどめるのを忘れずに。
まずは3問くらいの小さな診断と、どれにも当てはまらない人用の共通提案だけ用意して公開し、完了率と離脱を見ながら育てていくのがおすすめです。 診断シミュレーションProなら、設問作成から提案の出し分け、設置、集計までまとめて扱えます。
